芸術をもっと身近に☆写実主義篇〜
こんにちは
スタイリストのウエオカです!
お待たせしました今回は写実主義です☆
(待ってる人いるのかな、、、)
待ってる人がいなくても始めます!!!
(少し長いのでお時間がある時に読んでいただけると嬉しいです)
『芸術イコール美』の終焉
19世紀頃
日本は江戸時代末期から明治初期で
伊能忠敬が日本の測量を始めたり
あのペリーが来航してから怒涛の幕末へと続く出来事があった辺りです。
それまで芸術の中心だったイタリアからフランスへと移ります。
王政やファッションの変化、戦争
産業革命によるパリの大都市近代化など
目まぐるしい変化があったこの時代に
新たな息吹を西洋美術史に吹き込んだのが
クールベやミレー、マネと言った
写実主義の画家たちです。
それまでの古典主義は理想化された世界や人間を描くものでしたが
クールベやミレーは
現実の人間と社会を極めて客観的に
描こうとしました。
なので、描かれるのは
神話でも神でも聖人でも英雄でもありません。
その時代に生きた労働者や農民、
市民やブルジョワジーが描かれるようになったのです。
この写実主義の台頭により
「芸術=美しいもの」という
古代ギリシャから続いてきた概念がいよいよ崩れ去ります。
古代ギリシャから女性の身体は美しいものとして多くの
彫刻や絵画のモチーフになってきました。
『ミロのヴィーナス』や『ヴィーナスの誕生』等が有名で
鑑賞する方も、それらを卑猥なものとして捉えません。
でも、この絵はどうでしょうか
シワだらけのシーツに脚を広げた女性は
美しい女神でも神話の人物でもありません。
実際にクールベが、アメリカ人画家のホイッスラーの
恋人をモデルに描いたとされるように
生身の女性を描いたのです。
この絵は当時、パリの絵画業界の一大スキャンダルとなりました。
単なる女性の裸ではなく、娼婦を描いているです。
『オランピア』という名前は当時のパリの
高級娼婦の通称でした。
横たわっている女性の無表情さはあくまでビジネスライク
召使いは、今まさに客から受け取った花束を持っています。
少し見えにくいですが
右端に描かれている黒猫は当時のセックスの象徴でした。
絵画技法の観点からも批判にさらされたそうで
ルネサンス以降に常識とされてきた立体感や遠近感を
ことごとく無視し、平坦な表現方法を用います。
これは浮世絵が影響を与えていると言われていて
実際に、熱心な日本美術コレクターだったそうです。
当時は批判されたマネでしたが
後に印象派として登場する画家達に
大きな影響を与え「近代絵画の父」と呼ばれるようになります。
少し前のブログでも紹介したように
日本の浮世絵はヨーロッパの
絵画界に多分に影響を与えています。
今は西洋美術について書いていますが
平安時代から鎖国に突入し
独自の文化を育んだ日本特有の美意識もまた、
相当に美しいと思っています。
このブログを読んで少しでも豊かに
アートに興味を持っていただけたら嬉しく思います^^
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